大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

奈良地方裁判所 昭和24年(行)7号 判決

原告 吉川義正

被告 五条町農地委員会・国

一、主  文

被告五条町農地委員会が昭和二十三年五月十七日原告の所有に係かる別紙目録記載の宅地並に建物に対して爲した買收計画は之を取消す。

原告の被告五条町農地委員会に対する其の余の請求及被告国に対する請求は何れも之を棄却する。

訴訟費用中原告と被告五条町農地委員会との間に生じた部分を被告五条町農地委員会の負担原告と被告国との間に生じた部分を原告の負担とする。

二、事  実

原告訴訟代理人は被告五条町農地委員会に対し主文第一項同旨被告両名に対し主文第一項掲記の買收計画及び之に関する公告、異議却下決定承認買收令書発行は何れも無効なることを確認せよ、訴訟費用は被告等の負担とする旨の判決を求めその請求原因として別紙目録記載の宅地並建物は原告の所有であるが、被告五条町農地委員会は訴外河崎丑松の申請に基いて昭和二十三年五月十七日自作農創設特別措置法(以下自農法と略称する)第十五条第一項第二号により之に対して買收計画を決定したので原告は同月二十五日異議を申立て被告農地委員会が異議却下決定をし同年六月八日其の通知を受け訴外奈良県農地委員会に対し適法な訴願を提起したところ同県農地委員会が昭和二十四年五月四日訴願棄却の裁決をし同月十一日右裁決書謄本の送付を受けた、しかしながら右買收計画には次の如き違法がある。

訴外河崎丑松は自農法第十五条に依り宅地建物の買收申請し得る法定の適格を有しない(イ)農地解放を受けた小作農が賃借する宅地建物を買收し得るには反別二反歩以上を耕作し將來農業に精進する見込のある專業農家に準ずべき農家たることを要するのに訴外河崎丑松は七十二才の高齢者で最近まで鮎屋と言ふ屋号で川魚商を営んでゐたもので第一次政府買上農地中田一段五畝二十八歩の解放を受けこれと小作畑一畝十七歩とを併せて田畑反別計一反七畝十五歩を耕作してゐたに過ぎず尤も同訴外人が五条町中央農事実行組合長であつたため本件買收申請後畑三畝七歩の売渡を受け漸く二段を上廻る耕地を有するに至つたが、右三畝歩を買收申請資格に加えることは出來ない(ロ)同訴外人は老齢になつて農耕を始めたもので隠居仕事とし続けてゐるが子息八十次は教職にあり耕作に從事せず從つて同訴外人に農業の後継者がない許りでなく同訴外人の生計費の大半は右同居子息八十次の收入によつて支へられてゐる状態である(ニ)本件宅地建物は五条町の商店街である新町の表通りに面し商家軒を並べて櫛比する中にあるから其の地位環境上農業経営に永く使用する建物として買收することが不適当であるばかりでなく同訴外人が永年之を住宅並びに川魚商の店舖として使用し來つたものであるからその構造に於ても農家の体裁を備えず内庭は狹く農機具類や農作物を收納する余地も乏しく表道路は交通繁劇で干場にも使用できない。從來訴外丑松は農業経営に專ら使用する建物として訴外中野六郎より本件建物附近に在る農業用納屋を賃借し農業経営の必要を充たして居り敢て本件建物を必要とせず且つ現実に農業に使用してゐないからこれを買收の対象とすることは不当である。

以上何れによるも被告農地委員会が本件宅地建物買收計画を決定することは裁量権の範囲を超える違法あるものとして取消を免れないしかして(一)本件買收計画は被告農地委員会の作成した買收計画たる文書を以て表示されてゐるが(イ)該文書の記載と議事録に掲載された被告農地委員会の決議の内容と一致せず且つ法定の決議事項を悉く掲げてゐない(ロ)又被告農地委員会の特定具体的決議に基いた旨の記載並びに其の決議に関与せる全委員の署名あることが有效要件であるのに本件買收計画書には右要件を欠如してゐるから買收計画自体が無效である(二)本件買收計画の公告は性質上準法律行爲的行政行爲であるのに(イ)被告農地委員会の意思に基かず委員長の專断に出た單独行爲に過ぎない(ロ)買收計画の内容を表示すべきであるのに右公告には單に縱覽期間と其の場所とを表示するに過ぎない(ハ)被告農地委員会が縱覽期間を昭和二十三年五月十七日より同月二十六日と定めたのは法定期間より一日不足してゐるから本件公告は形式内容共に違法無効である(ニ)本件異議却下決定は(イ)被告農地委員会がこれと一致した決議したことを法定の議事録によつて証明され得ない(ロ)決定書は被告農地委員会長の單独行爲の表示たる外観であつて委員会たる合議体の審判書と認むべき形式を備えないから右決定は無効である(ハ)本件買收計画には適法な承認がない。(イ)訴外奈良県農地委員会において法定の議決をした外形があるけれども縱覽期間満了の昭和二十三年五月二十六日の前日同月二十五日爲されてゐてそれは被告農地委員会が原告の異議を審議する以前のことである(ロ)又承認書が県農地委員会によつて作成されてゐないし被告農地委員会に告知されてゐない即ち效力発生要件も具えてゐないから無效である。從つて本件買收計画を始めこれに関聯する各行政廳の買收手続はすべて無效であるから原告は本訴において被告国に対し前記一聯の行政処分の無效であることの確認を求める法律上の利益を有することは勿論被告農地委員会に対し本件買收計画の取消を請求すると共に併せて順位的に買收計画等の処分の無效確認を求めることは出訴期間に関聯して法律上の利益を有するから無效確認の判決をも求めると陳述した。(立証省略)

被告農地委員会指定代理人は本案前の抗弁として原告主張の宅地建物につき被告農地委員会が昭和二十三年五月十七日買收計画を決定して同月十七日より十日間縱覽に供したのに原告より同月二十七日異議申立があつたので被告農地委員会は同月三十日異議却下決定をし其の謄本を同年六月八日原告に交付した從つて訴願は自農法第七条に依り遅くとも同月二十七日迄に訴外奈良県農地委員会に提起せらるべきであるにも拘らず原告は六箇月以上を経過した昭和二十四年二月二十四日訴願書を提出したので県農地委員会は陳情書として受理し同年三月三十一日の会議において原告の不服申立を審議し同年五月四日陳情書回答の形式を以て原告に通知した次第であるから訴願裁決を経ないで提起された本訴は行政事件訴訟特例法第二条に違背し不適法である。仮りに同法附則第二項但書に依り同法第二条の適用がなく訴願裁決を経ないで出訴し得ると解しても異議却下決定謄本が原告に交付された昭和二十三年六月八日より自農法第四十七条の二に定める出訴期間経過後に提出された原告の本訴は不適法で却下を免れないと述べ本案につき被告両名指定代理人は原告の請求を棄却する訴訟費用は原告の負担とするとの判決を求め答弁として被告農地委員会は訴外河崎丑松の申請に基き原告主張の日時に自農法第十五条第一項第二号の規定により本件宅地建物につき買收計画を決定したことに何等原告主張の如き違法は存しない。

(一)訴外河崎丑松は往時本件家屋において川魚商を営んでゐたことは事実であるが、昭和十二年当時田畑七反歩余を耕作して居り農業に精進する爲川魚商を廢したのであるが、その後奈良県農業会内吉野支部設置に際して地主が小作人たる同訴外人に無断にて田畑を右農会に讓渡した爲紛議を生じたが農業政策に順応して農業経営を縮少し傍ら未懇地開発に主力を注ぎ來たつたので農民の信望厚く現在五条町農業協同組合理事、同町農業調整委員、同町中央農家組合長の名誉職に就いて農民の指導に盡力しつつあつて年齢こそ高齢ではあるが元気尚壯者を凌ぎ子息八十次は教職にあるも其の嫁を手伝わせ農繁期には八十次をも稼働させて農耕に精進しつつあり其の農業所得は年間六万五千円に上り別に子息八十次に年額七万五千円の給与所得あるけれども子息妻子の別世帶の生計に充てられてゐる、尚買收申請当時同訴外人は田一段五畝二十八歩と畑七畝十七歩と開懇地三畝七歩反別二反六畝二十二歩を耕作し居り内田一段五畝二十八歩畑四畝十六歩の開放を受けて居たから同訴外人は自農法施行令第二十四条所定の有資格者である。

(二)本件土地建物の位置環境は決して原告主張の如きものではない右家屋の両側は同訴外人の小作する原告所有の農地に続いてゐて吉野川の磧に拡がり北東側は約四米巾の道路をへだてて人家が三棟乃至四棟点在しその背後は水田となつて居り到底原告主張の如き商店街とは言へない。又訴外人が本件建物の外に納屋一棟を賃借してゐる事は認められるが右は長屋一棟の一部で買收に適しないばかりでなく農業経営には右納屋だけでは充分でなく干場として又農機具收獲物の收納にも本件宅地建物を必要とするのである。

從つて被告農地委員会が訴外丑松の買收申請を相当と認めて本件宅地建物に対して買收計画を立てたことに実体上何等不当違法か存しない尚右計画決定並びに異議却下決定に原告主張の如き手続法上の違法がないと述べ被告国は本件宅地建物買收処分を形成する買收計画、異議却下決定、承認、買收令書の発行の各処分に原告主張の如きこれ等の行爲を法律上無效ならしめる瑕疵がないから被告国に対する原告の本訴は矢当であると陳述した。(立証省略)

三、理  由

先づ被告農地委員会の本案前の抗弁につき考えるに被告農地委員会が原告所有に係る別紙目録記載の宅地建物につき訴外河崎丑松の申請に基いて昭和二十三年五月十七日買收計画を決定し縱覽期間を同日より同月二十六日までと定めて公告したことは本件当事者間に爭なく原告本人の供述に依れば原告が同月二十五日被告農地委員会に異議を申立てたことを認定することができる。被告農地委員会が同月三十日異議却下決定をし同年六月八日原告に右決定を通知したことは本件当事者間に爭ないところ原告は訴外奈良県農地委員会に適法な訴願を提起したところ同委員会が昭和二十四年五月四日訴願棄却の裁決をしたことを同月十二日知つたから本訴は適法であると主張し被告農地委員会は原告は自農法第七条第四項の定める期間を経過し昭和二十四年二月二十四日県農地委員会に訴願申立書を提出したので陳情書として受理し原告主張の委員会において右陳情を付議し原告の不服を斥ける旨議決したのに過ぎないからこれを目して訴願裁決とは言い得ないから行政事件訴訟特例法第二条に違背し本訴は不適法であると抗爭するから原告が果して適法な訴願裁決を経て法定の出訴期間内に本訴を提起したか否かを考察する。成立に爭のない乙第十号証同第十五号証甲第二号第三号証丙第一、第二号証及び原告本人の供述を合せ考えると原告が異議却下決定の通知を受け昭和二十三年六月十日及び十五日の二回に亘り使者を以て被告農地委員会書記に訴願提起期間を尋ねたのに訴願はいつでも提起できるとの回答であつたが更に法定の期間満了の日同月二十六日の以前である同月二十日頃原告自から被告農地委員会事務所に赴き期間を問合はせたのに同樣の回答であつたため法定期間を遵守することができず同年七月五日被告農地委員会へ訴願書を差出したところ同委員会書記が同年十月十日頃まで右訴願書を放置し其の頃に至つて不適法の訴願書である理由で差戻したので原告は自ら奈良県農地委員会へ持參提出したところ県農地委員会は昭和二十四年二月二日に至つて右訴願は処分廳を経由して居らぬと言ふ理由でこれを差戻し処分廳を経由すべき旨指示したので原告は同月二十四日改めて右指示に基き被告農地委員会を経由して右訴願書を県農地委員会に提出したので県農地委員会がこれを受理して同年三月三十一日開催の第十一回会議において法定の議事手続を経て原告の不服申立を審議しこれを排斥する旨の決議をし同年五月四日奈良県農地部長作成名義の文書を以て原告に右決議の内容を通告したことを認定することができる。思うに自農法第十五条に依り政府の行ふ所謂附随買收は農地制度改革の一環として農地買收と相表裏し法定の順序段階を経て可及的速かに各行政廳をして其の手続を処理完結させる爲に同条第三項に依り同法第七条を準用し同条第四項に短期の訴願提起期間を定めてゐるけれどもこれを絶対的不変期間と解すべき法律上の根拠がない。寧ろ同項所定の期間は訴願法第八条第一項に定める六十日の普通期間を短縮する特別規定である右期間経過後に提起された訴願受理に関する同条第三項の規定の適用を排除するものでないと解するのが相当である。もとより宅地建物の買收計画につき利害関係を有する者は法律に定める訴願提起期間を知るべき義務を負ふものであるから地区農地委員会が法定の訴願提起期間を誤つて回答したため宅地建物所有者が訴願を法定期間を徒過して提起した場合縣農地委員会は訴願法第八条第三項に依りこれを受理すると否とは其の裁量権の範囲に属するけれども上級行政廳の右裁量には自から限度が存し客観的に合理的妥当な限度において法規上の制約を受ける所謂き束的裁量に属するものと言わねばならない。しかして敍上認定の事実と成立に爭ない丙第三號証に依り認め得る被告農地委員会が原告より異議申立を受ける以前に県農地委員会に本件宅地建物買收計画の承認を申請し異議を審議する以前である昭和二十三年五月二十五日県農地委員会が右買收計画を承認してゐる事実及び前記丙第一号証に依り認め得る被告農地委員会主任書記が県農地委員として前記決議に加わつてゐる事実を合せて考えるときは被告農地委員会職員が原告の訴願を妨げる意図の下に故ら訴願の提起期間を誤つて告げたため原告が右期間を遵守し得なかつたことを認めることができ右認定を動かすべき証拠がない。從つて原告が訴願法第八条第二項の趣旨に適合して三十日以内である昭和二十三年七月五日訴願を提起しこれと事実上同一視すべき昭和二十四年二月二十四日附訴願書は眞に宥恕すべき事由ある期間経過後の訴願として上級廳たる県農地委員会において、受理すべき義務あるものと言うべく県農地委員会が法定の議決手続を経て同年三月三十一日原告の訴願を却下する趣旨の決議をしたこと敍上認定の通りであるから右決議を訴願却下の裁決と認むのが相当である。尤も県農地委員会が原告の右訴願が期間経過後である理由で陳情として付議したことは前示丙第三号証に依り明かであるけれども右決議前である同年一月十七日奈良県知事が右買收計画に基いて買收令書発行の手続を採つたことを成立に爭ない乙第十三號証により知り得るから右決議が農地調整法第十五条の二十八所定の再審議たり得ないことは勿論県農地委員会の内部的監督権の作用としてももはや買收計画の当否を審議し得ないのであるから前記事実は未だ前段認定を妨げるものではない。しかして原告が同年五月四日右裁決を知つて後同年六月二日に本訴を提起したことは記録上明かであるから原告の被告農地委員会に対し取消を求める訴は出訴期間を遵守し且訴願を経た適法のものと言はねばならない。

よつて本案に入つて判断をするのに当裁判所が眞正に成立したと認める乙第二號証と檢証の結果と証人河崎丑松の証言を綜合すると本件宅地建物は五条町の西端部に位置し同町の中央を東西に貫通する国道十五號線に面し道路の両側に商家と住家とが軒を並べてゐるけれども本件建物の裏南側は訴外丑松の耕作する一畝余の蔬菜畑の下手が吉野川磧の河床地に続き北東側は人家を隔てて農地に接続し其の位置環境は必しも農業経営に使用することが不適当とは言ひ得ないけれども本件建物は車馬の交通比較的繁劇な街路に面するから表通路を干場として使用することは困難で別紙目録記載の宅地十七坪上に建設されてゐる本件建物は專ら訴外丑松等家族の住宅に使用せられて居り其の屋内土間も手狹で農機器具及農作物を收納し得る余地がなく、同目録記載の宅地九坪の敷地全部の上に訴外丑松の子息八十次所有の住宅一棟が本件建物に接続して建てられてゐて其の裏手には同訴外人耕作の畑地に続く傾斜になつてゐる磧を乾燥場として使用できるけれども農作物を收納し得る場所がないから同訴外人が本件建物より十数間隔てた箇所に訴外中野六郎より賃借する納家一戸を農業経営に使用しこれを前記住宅裏の磧を使用することにより十分に同訴外人の耕作する田一反五畝二十八歩畑約一反歩の農業経営の用を達し得て本件宅地建物を敢て必要としないこと同訴外人が本件宅地建物を專ら自己及び同居の家族の住居に使用して居り檢証当日も本件建物内に甘藷若干を入れたふご一個と平くわ一挺のみが建物内の土間に置かれあることを認めることができ右認定を動かすべき証拠がない。敍上認定の事実からして本件宅地建物は訴外丑松の現在営む農業規模から観て其の経営に敢て必要とするものでなく、其の構造上農業用に使用することが不向であることを認め得るから近時の借地借家権が法律上高度に保護されてゐる事情に鑑みるときは本件宅地建物を買收することが相当であると考えることは到底困難と言わねばならない。果してそうであるならば被告農地委員会が農業経営と現実に関連性のない本件宅地建物を買收することを相当と判断して本件買收計画を決定したことは法律上許された裁量の範囲を逸脱した違法たることを免れないから原告の被告農地委員会に対する本訴請求中右買收計画の取消を求める部分は其の余の点につき判断をするまでもなく正当として認容すべきである。原告は更に被告農地委員会に対し手続法規上の違法あることを原因として買收計画の無效確認を求めてゐるけれども既に被告農地委員会に対する前記抗告訴訟が認容される限り併せて買收計画の無效確認を訴求すべき法律上の利益がないから他の点につき判断をするまでもなく原告の主振自体よりして右請求は失当として排斥さるべきある。次に原告の被告国に対する本訴請求につき按ずるに原告は本件宅地建物の買收処分を構成する行政行爲として被告農地委員会のした買收計画、公告、異議却下決定及び其の上級廳たる県農地委員会のした承認がいづれも各処分の成立及び效力発生の前提要件たる手続法規に違背し無效であり從つてこれに基く知事の買收令書発行の処分も亦無效であることを理由として右各処分の無效なことの確認を求める旨主張するけれども政府が公法上の権利主体として行ふ右買收処分の基礎たる買收計画に実質上の違法あることを理由として行政廳たる市町村農地委員会を共同被告として提起した右買收計画取消の抗告訴訟が認容される限り、行政事件訴訟特例法第十二条の反射的效力として政府も亦これにつき覊束されるから買收処分を組成する買收計画を始め原告主張の個々の行政処分にたとえ重大な手続上の違法が存する場合でも各行政廳の法律上の権限内において爲された行政行爲たるの形式的要件を具備する以上他に特別の事情がない限り当該行政廳のした各個の行政処分は勿論これを包括しての買收処分の無効であることの確認を求める法律上の利益がないから原告の被告国に対する本訴請求は其の請求原因たる主張自体に徴し失当であること明かである。よつて訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条第九十二条を適用して主文の通り判決する。

(裁判官 南新一 坂口公男 中村一作)

(目録省略)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!